- アイアンマン女王クリッシー・ウェリントン スピーチ
- 2009.11.2
- コースレコードでゴールした後、優勝スピーチより
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子供の頃に見ていたテレビ番組で「Record Breakers」という毎回いろいろな 記録への挑戦を取り上げるショーがあり、それを見ているうちに「私もいつか 何かの記録を破って「Record Breakers」の一人として名を刻みたいと思って いました。
そして、ついに今年、7月のドイツではアイアンマン・ディスタンスの世界記録 (8時間31分59秒)、ハワイでもコースレコード(8時間54分2秒)を出すことができ、
私の「Record Breaker」の夢が叶いました。レースでは、最近かなり改善しているスイムが好調でよいポジションでバイクを スタートすることができました。最初からとことん走ることを決めていて、32キロ地点では トップに立ちました。往路はやや向かい風だったので帰りは追い風だろうと思っていたら、「マダム・ペレ」が激しい風を吹きつけてきたかのように、最後まで風の中でもがきました。
そして、バイク中はまるでオーブンの中にいるような熱さでした。ランでは、最初の5キロまでは苦しかったです。しかし、5キロを過ぎると、プラカードを持った 全身「バナナ」ぐるみの彼が「結婚してくれませんか?」とプロポーズするのです。これで 一気にアドレナリンが炸裂しました。そして、最後まで力強いストライドで走ることができ、 最後の8キロで時計を見ると勝つことを確信しただけでなく、コースレコードを出せることも 確信しました。
フィニッシュラインでの気分は言葉では言い表せません。達成感、安堵、満足、誇り…。
この達成は私の力だけではなく、このスポーツそのもののもつ力によるものだと思います。
そして、より強く、ハードに速くなったコンペティターたちによって後押ししてもらったものです。
特に2位に入ったミリンダのラン・コースレコードの走りは、私たちにはまだまだ可能性が あることを示してくれています。ですから、私の記録もいつか私自身かあるいは他の誰かに きっと破られるはずです。トライアスリートであることは、レベルにかかわらず、このスポーツへの献身と犠牲を伴うものです。けっして美しいものではありません。ハードなトレーニング、汗、 涙、痛み、日焼けの後、時に周りからの嘲笑…。ではなぜ私はトライアスロンをやっているのか?
記録?レース?向上?家族の誇り?バナナからのプロポーズ?レースの後のピザとマイタイ?
あるいは他の何か?その一つはこのスポーツへの深い情熱です。私は確かに「マゾ」かもしれない。闘いや争いが 好きですし、痛みが好きですから。しかし、可能性が満たされ可能な限りベストに近づくまで、 その不屈の情熱は途切れないと思います。
そして、最も重要なことはこのスポーツに「変化(change)」のためのプラットフォームがあることです。
「変化」への可能性が私の毎日を刺激してくれます。ALS(筋萎縮性側索硬化症)で 亡くなったジョン・ブレイズのために、彼もコナのフィニッシュラインで行った「ロール(転がって フィニッシュする)」を私がどのレースも行うことも、多くの素晴らしい人々に会うことも、 認識の向上に努めることも、インタビューに答えることも、私が情熱を持っていることについて 話すことも全て、この「変化」を促すためだと思っています。私がこのスポーツでもっと多くのことを成し遂げることは、その「変化」のためのプラットフォームを より大きくすることだと思っています。トレーニングのときのレースのときも、いつもこのことが私の 心の中にあります。このスポーツで私が成し遂げたい夢は、人々に自信を持たせ力づけたいことです。
まず最初に多くのプロアスリートに感謝したいと思いいます。私は最高のアスリートと最高のレースを できたことを心から嬉しく思います。中でもリアンダ・ケーブには感謝します。彼女は、ジョン・ブレイズ 基金のために「Great Athlete Auction」を立ち上げ、約100万円を集めました。これらはALSの治療の ために基金に役立ちます。
家族と友人にも感謝しています。スポンサー、レースオーガナイザー、何千人ものボランティアにも 「マハロ」(感謝)を送ります。エネルギーを与えてくれた何千人ものサポーターやファンにもマハロ。
もちろん、「バナナ(フィアンセ)」にも。最後に、「何故、レースを終えた後でも、ずっと深夜12時までフィニッシュラインにいるの?」と問われた時に 私はこう答えました。「レース前後、レース中でさえ、私を励まし祝福してくれたのは深夜12時まで レースをしているあなたがたアスリートだから。そのアスリートの全てをフィニッシュラインで迎えたい」。
私はみなさんのチャンピオンであることを心から誇りに思います。」


